4.山王神社 
      


爆心地より南東に800メートル

 片足鳥居





 この鳥居山王神社の二の鳥居として建てられたが、原子爆弾のさく裂と同時に、猛烈な爆風によって片足がもぎ取られてしまった。強烈なふく射熱線によって鳥居の上部が黒く焼かれ、爆風によって片足と上部の天地石材が破壊され、その折、上部に残された笠石が風圧でねじ曲げられた。その状況を示すものとして、笠石と柱の間に黒く焼けた部分とねじれにより生じた白い部分が残されている。



原爆クスの木



 境内入口にそびえている樹齢500年以上の2本のクスの木は原爆の被害を受け、枝葉が吹き飛ばされ、幹には大きな亀裂が生じた。一時は生存が危ぶまれていたが、その年の10月の初めごろ爆心地と反対側の幹や枝から新芽を吹き、生きる支えをなくした人々に希望を与えた。



坂本町民原子爆弾殉難之碑



 原爆の犠牲となった坂本町山王地区町民700余人の慰霊のため、三の鳥居の折れた柱を使って1952年に地元自治会によって建てられた。