(左:吉原百美 右:村山京子)


95年ホームページ制作にあたって


 日本の西の果てに位置するここ長崎は、三方を山に囲まれ南方へ鶴のように扉を開く港町です。  ここは、異国情緒あふれる街であり歴史の街です。 そして、世界人類にとって決して忘れては ならない地です。 なぜならこの地は世界で歴史始まって以来、原子爆弾という大変な兵器の襲撃を 広島に次いで受けたところだからです。

 あれから半世紀。 この年月はあの日の惨劇を、この街からそして人々の脳裏から消し去ろうと しています。 この風化を少しでもくい止めたい。 また、幼少からただ漠然と『あの日』を決して 繰り返してはならないと思っていた私達にとって、米国でのスミソニアン博物館の展示中止に 関する退役軍人の思いや、中国・フランスの核実験強行のニュースに大きな衝撃を受けました。  それまで、あまり真剣に考えたことのなかったこのテーマに強い関心を抱くようになりました。

 「この地に生まれ育った私達に、何かできることはないのだろうか?」この思いがこのホームページを作るきっかけになりました。しかし、原爆に関する文献を読んだり様々なフォーラムに参加するうちにこのテーマを 考えることの難しさに打ちのめされました。 なぜなら、国家間・人々の間において認識の 違いからいろいろな議論が生まれるからです。 それは、時間的制約のある私達にとって短期間の 知識埋め込みではどうすることもできない大きな壁でありました。 そのため伝えたいことの1%も 明確にお伝えできないことに、はがゆさをおぼえます。
 今回、私達はここ長崎の地から発信するということを念頭におき、 この地の特色を生かしたメッセージを送りたいと考え作成しました。 その内容は決して満足の いくものではないかもしれません。 しかしみなさんがこのホームページをご覧になって、 自分自身の内に‘核兵器とは何か’を問いただし、それに関する様々な問題を真剣に考える一つの 根拠になれば幸いです。
 私達の大きな願い、それは『No more NAGASAKI』 であり、『No more WAR』です。

                  95年度 制作者

                        村山 京子
                        吉原 百美