原爆被爆後、半年間、喪に服し、「平和」と
「復興」を「祈り」の中で求め続けていた。
永井隆博士は、助教授をつとめる長崎医科大学
付属病院で被爆した。
自らも重い傷を負ったその直後から、負傷者の
救護や原爆障害の研究に献身的に取り組んだ。
やがて、彼の思いは医師としての役割から、長
崎の町と文化の復興、そして平和の願いへと広
がっていく。
被爆以前から患っていた白血病が次第に悪化す
るが、病床についてからも、執筆活動を通して
その実践を貫いた。
被爆から6年の命だったが永井隆博士の足跡か
らは、平和への切実な祈りが聞こえてくる。